【元国税審判官】税務調査・審査請求・税務訴訟
秋葉法律会計経営事務所
〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅四丁目25番17号 三喜ビル6階
名鉄名古屋駅中央改札口から徒歩5分/駐車場:なし
当事務所が対応した事例の一部をご紹介します。
1.税理士の先生より、以下のようなご相談を受けました
①外注費の給与認定の指摘
税務調査において、担当調査官(国税局所属職員および税務署所属職員)から、関与先法人が下請けの個人事業主に「外注費」として支払っていた金銭について、実質的には「給与」に該当するとして、源泉所得税の納付漏れ等を指摘されている。
②売上返金の損金算入否認と重加算税の指摘
同法人では、取引先に対する売上代金の返金を継続的に行っていたが、関係書類が残っていない期間の返金について、担当調査官から「交際費又は贈与に当たり、損金として認められない」との指摘を受けている。
さらに、関係書類を意図的に破棄したとして、重加算税を賦課する可能性も示されている。
③税理士の先生に対する懲戒の可能性への言及と質問応答記録書への署名要請
担当調査官から、関係書類の破棄について税理士の先生が指導したのではないかとの疑いを示され、懲戒担当部署への情報提供等の可能性に言及されている。
さらに、質問応答記録書への署名をするよう関与先法人の代表者の方を説得することを求められるなど、調査への対応に苦慮している。
④従前の対応方針への疑問
それまで国税出身の税理士にも対応を依頼していたが、質問応答記録書への署名を勧められるなど、依頼者側が希望する対応方針とは隔たりがある。
以上から、調査官の指摘内容そのものを法的・客観的に検討した上で、今後どのように対応すべきか相談したい。
2.ご相談を受け、当事務所では以下の対応を行いました
①事実関係の詳細な確認と今後の見通しの共有
まず、税理士の先生及び関与先法人の代表者の方から、税務調査の経過、取引の実態、関係書類の作成・保存状況、調査官とのやり取り等について詳細にお伺いしました。
その上で、現時点で想定される争点とリスク、今後考えられる調査の展開、不服申立てに至った場合の論点等について整理し、対応方針を共有しました。
②事実・証拠の整理と法的論点の抽出
お預かりした関係資料とヒアリングの内容を基に、外注先との契約関係及び業務実態、売上返金の実態、関係書類の保存状況等を整理しました。
その上で、調査官の各指摘について、どの事実が重要となるのか、どのような証拠によって裏付けることができるのか、法令上どのような問題があるのかを検討しました。
③裁判例、裁決例及び専門文献の調査・検討
外注費と給与の区分、売上返金の税務上の取扱い、重加算税の要件その他の争点について、関係法令、通達等に加え、関連する裁判例、国税不服審判所の裁決例及び専門文献を調査・検討しました。
これらを本件の具体的な事実関係に当てはめ、課税庁の指摘に対する反論を構成しました。
④国税局長・税務署長宛てに2通の弁護士意見書を提出
検討結果を踏まえ、2通の弁護士意見書を作成しました。
1通では、外注費の給与認定及び売上返金の損金算入否認等について、関係する事実と証拠を整理した上で、調査官の指摘に対する当事務所の法的見解を示しました。
もう1通では、税理士の先生が関係書類の破棄を指導した事実はないこと、税理士の先生について懲戒事由が認められないと考える理由等を整理するとともに、調査手法についても必要な改善を求めました。
加えて、それぞれに裏付けとなる資料を添付し、国税局長又は税務署長宛てに提出しました。
3.対応後、税務調査は以下のように進展しました
①担当調査官の変更
弁護士意見書の提出後、税務調査を担当する調査官が変更されました。
②外注費及び売上返金について、当局側が当初の指摘を撤回
担当調査官の変更後、下請けの個人事業主に対する支払いについては、給与ではなく外注費として取り扱われ、関係書類の残っていない期間の売上返金についても、贈与には当たらないことを前提に調査が進められました。
また、当初示されていた重加算税についても、その後、賦課を示唆されることはなくなりました。
③税理士の先生に対する懲戒への言及および質問応答記録書への署名要請がなくなった
弁護士意見書の提出後、税理士の先生に対する懲戒の可能性への言及はなくなり、関与先法人の代表者の方に質問応答記録書への署名を求める要請も行われなくなりました。
④追徴課税なし(是認)で税務調査が終了
最終的に、本件税務調査は、外注費、売上返金その他の争点について追加の課税に至ることなく、追徴課税なし(是認)で終了しました。
4.本事例における弁護士・元国税審判官としての対応
税務調査において調査官の指摘に疑問がある場合でも、単に「納得できない」と主張するだけでは十分ではありません。
何が争点となっているのかを整理し、客観的な事実と証拠によって事実関係を示した上で、その事実に法令、通達、裁判例、裁決例等を当てはめ、なぜその指摘に問題があるのかを論理的に示すことが重要です。
弁護士は、法的な主張立証を専門とし、依頼者の代理人として独立した立場から課税庁に意見を示すことができます。
加えて、当事務所代表は国税不服審判所の国税審判官として多数の税務事件の調査・審理に携わった経験を有しています。そのため、税務調査段階の指摘だけを見るのではなく、「この事案が将来、国税不服審判所や裁判所で争われた場合、何が争点となり、どのような事実と証拠が重要になるか」という観点から検討することができます。
本件でも、最終的な着地点を見据えて争点、事実、証拠及び法令を整理し、その検討結果を税務調査の段階で弁護士意見書として提示しました。
税務調査段階から、その後の審査請求や税務訴訟を見据えて一貫した主張立証を行うことが、当事務所の税務調査対応の特徴です。
5.課税庁の指摘・調査手法に納得がいかない方へ
税務調査における担当調査官の指摘について、事実認定や法令の適用に疑問がある場合や、調査手法への対応にお困りの場合には、納税者の方だけでなく、関与されている税理士の先生からのご相談も承っています。
当事務所では、税務調査の現場への立会いは行わず、税理士の先生と関与先との信頼関係を損ねることなく、事実関係・証拠・法的論点の整理、対応戦略の立案、弁護士意見書の作成を通じて、後方から支援します。
*本事例は、当事務所が取り扱った個別の案件における結果をご紹介するものです。事案の内容、証拠関係その他の事情によって結果は異なり得るため、他の案件について同様の結果を保証するものではありません。
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