【元国税審判官】税務調査・審査請求・税務訴訟

秋葉法律会計経営事務所

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弁護士意見書に関するお役立ち情報
 

税務調査で「弁護士意見書」を活用する意味

税務調査において、担当調査官からの事実認定や法令の適用に疑問がある場合、納税者側が口頭で反論するだけでは、主張の内容やその根拠を十分に伝えきれないことがあります。

特に、外注費と給与の区分、寄附金該当性、重加算税の賦課要件など、事実認定と法令の適用が複雑に絡み合う問題では、「納得できない」「事実と違う」と述べるだけではなく、客観的な事実と証拠を整理し、法令、通達、裁判例、裁決例等を踏まえて、納税者側の見解を論理的に示すことが重要です。

そのための一つの方法が、弁護士意見書です。

弁護士意見書は、提出すれば必ず課税庁の判断が変わるというものではありません。しかし、争点、事実、証拠及び法的根拠を一つの書面に整理して提示することにより、納税者側の主張を明確な形で課税庁に伝えることができます。

本ページでは、税務調査において弁護士意見書を活用する際に重要となる3つのポイントを解説します。

弁護士意見書を活用するための3つのポイント

  • 口頭での反論を書面化し、争点と法的根拠を明確にする
  • 客観的な事実と証拠に基づいて事実認定を再構成する
  • 税務調査全体の進行を見極めて提出時期を判断する

口頭での反論を書面化し、争点と法的根拠を明確にする

 

税務調査では、担当調査官と納税者や税理士との間で、多くのやり取りが口頭で行われます。

しかし、複雑な事案について口頭だけで反論しようとすると、何が争点なのか、どの事実について認識が異なっているのか、納税者側がどの法令や証拠を根拠としているのかが曖昧になりやすくなります。

また、調査が進行するにつれて担当者や検討する部署が変わる場合にも、口頭で行った説明の内容がそのまま正確に共有されるとは限りません。

そこで、弁護士意見書では、

・課税庁からどのような指摘を受けているのか

・その指摘の前提となっている事実認定は何か

・納税者側はどの事実を主張するのか

・その事実を裏付ける証拠は何か

・関係法令をどのように適用すべきか

といった事項を整理し、書面として明確に提示します。

特に、法令、通達、裁判例、裁決例等に照らして課税上の指摘に問題があると考えられる場合には、その理由を具体的に示すことが重要です。

弁護士意見書の意義は、単に「弁護士が反論している」という点にあるのではありません。

納税者側の主張を、事実・証拠・法令の関係が分かる形で書面化し、課税庁に検討を求めることにあります。

客観的な事実と証拠に基づいて事実認定を再構成する

 

税務調査における争いでは、法令の解釈そのものよりも、その前提となる「事実をどのように認定するか」が問題となることが少なくありません。

例えば、ある支払いが外注費なのか給与なのか、ある支出が事業上必要なものなのか、重加算税の前提となる仮装・隠蔽があったのかといった問題では、形式的な名称だけで結論が決まるわけではありません。

契約内容、実際の取引状況、金銭の流れ、メールその他のやり取り、帳簿書類、関係者の説明など、多数の事実と証拠を総合して判断する必要があります。

このような場面で重要なのは、調査官の見解に対して主観的に反論することではなく、客観的な証拠から事実関係を組み直すことです。

当事務所では、関係資料とヒアリング内容を精査し、

「どの事実について見解が分かれているのか」

「その事実を裏付ける客観的な証拠は何か」

「国税不服審判所や裁判所で争われた場合、どの事実と証拠が重要になるか」

という観点から事案を検討します。

その上で、課税庁の事実認定とは異なる評価が可能である場合には、その根拠となる事実と証拠を整理し、弁護士意見書の中で具体的に示します。

これは、単に調査官の「見方」を批判するためではありません。

事実認定の基礎となる証拠を明らかにし、客観的な資料に基づいて改めて検討することを求めるためのものです。

税務調査全体の進行を見極めて提出時期を判断する

 

弁護士意見書は、どの段階で提出しても同じというものではありません。

税務調査の初期段階では、担当調査官が何を問題としているのか、どの事実を重視しているのか、どのような課税を検討しているのかが、まだ明確になっていないことがあります。

その段階で意見書を作成しても、実際の争点と十分にかみ合わず、後になって新たな問題が判明する可能性があります。

他方、調査が相当に進み、課税庁の事実認定や法的評価が明確になってくれば、どの点について反論すべきか、どの証拠を示すべきかを具体的に検討できるようになります。

したがって、弁護士意見書の提出時期は、一律に決めることはできません。

調査の経過、担当調査官から示されている指摘、質問応答記録書その他の資料、納税者側が保有する証拠、課税処分に向けた検討の進行状況などを踏まえ、

現時点で何を課税庁に示す必要があるのか

を検討した上で判断する必要があります。

場合によっては、まず事実関係と証拠を整理して税理士の先生による調査対応を支援し、争点が明確になった段階で弁護士意見書を提出することが適切なこともあります。

重要なのは、「早く出す」「最後に出す」といった形式的な判断ではなく、税務調査全体の戦略の中で、弁護士意見書をどのように位置付けるかという視点です。

弁護士意見書は、税務調査における主張立証の一つの手段です

弁護士意見書そのものに、課税庁の判断を変更させる法的な強制力があるわけではありません。

また、弁護士意見書を提出すれば、必ず追徴課税を回避できるものでもありません。

重要なのは意見書という形式そのものではなく、その中でどのような事実を、どの証拠によって示し、その事実に法令をどのように当てはめるかという内容です。

当事務所では、弁護士としての法的な主張立証、公認会計士としての財務・会計に関する知見、中小企業診断士としての事業への視点に加え、国税不服審判所の国税審判官として多数の税務事件の調査・審理に携わった経験を活かして、税務調査における争点を検討します。

その際には、目の前の担当調査官に反論することだけを目的とするのではなく、仮にその後、審査請求や税務訴訟に進んだ場合に、どのような事実と証拠が判断の基礎になるかという観点から検討します。

必要に応じて、契約書、帳簿書類、メールその他の客観的資料を整理し、法令、通達、裁判例、裁決例等を検討した上で、国税局長又は税務署長宛ての弁護士意見書を作成・提出します。

なお、当事務所では、税務調査への立会いは行っていません。

日頃から納税者の事業内容や税務処理を把握している関与税理士の先生に現場での対応を担っていただき、当事務所は、争点整理、対応戦略の検討及び弁護士意見書の作成によって後方から支援します。

税務調査における事実認定や法令の適用に疑問がある場合、重加算税その他の課税上の指摘への対応を検討されている場合、あるいは関与先について法的な観点からの検討が必要となった税理士の先生は、ご相談ください。

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